ぼくを憐れむうた

ぼくを憐れむうた

日々の雑記や音楽のお話

ここは ぐちの はかば


卒業ライブがあった

後輩の卒業ライブがあった。

なんで後輩が卒業してるのにお前は卒業しとらんねんwっていうツッコミは受け付けません。

 

正直、今の後輩は先輩が来ても全然嬉しそうじゃないので行くのに二の足を踏んでしまうような状況だったが、紆余曲折を経てぼくも出演することになったので2日間参加して参りました。

結論から言うと、何度も泣きそうになった。

卒業ライブは卒業ライブマジックというのが存在しており、どんな些細なことでも感動的に聞こえて、見えてしまうものだが、見事術中にハマってしまったということだ。

1日目はライブ自体はそう大したことはなかったのだが、OBOGが思いの外参加しており久々に顔を合わせる面々も多かった。特に意外だったのが同期も来ていたことだ。

前も書いたが、ぼくには友達の定義がある。

それは、久々に再会しても昨日会ったかのように話せれば、それは友達だと思う。

同期はまさしくそれだ。ぼくも違和感なく、むこうもきっと違和感なく、昨日会ったかのように話すことができた。

久しくタメ口を利きあえる仲の人間と接していなかったので、今となってはとても貴重な体験をさせて頂いた。とか堅苦しい言い方をしてみたが、純粋に楽しかった。久々に楽しかった。

 

2日目はOBOGこそ居なかったが、ライブの飛び入り枠で来ていたOBOGが現役に混じって参加していた。

そこで思ったのが、やっぱり同期の奴はすごかった。

来ていたのが上手い奴だったということもあるのだが、現役生に比べて歌が滅茶苦茶上手い奴、ギターが滅茶苦茶上手い奴が出ており、改めて彼らの凄さを実感させられた。

ぼくの代は非常に仲が悪く、常にギクシャクしており、それは未だにネタになる程に酷かった。

でも、彼らはやっぱり自慢の同期だ。自慢の友達だ。彼らが卒業してから年月は経ったが、改めて再確認させられたのだ。

で、現役自体も中々良かった。あまり容易く使いたくはないが、”エモ”かった。

映画のジャイアン理論ではないが、普段ヘラヘラしてるやつが真剣に楽器を弾いているというのは中々どうして感動してしまう。

また、普段は綺麗に歌い上げる奴が、がなり声を出して歌を歌うシーンはぐっと来てしまった。

更に、普段は小馬鹿にしあっている2人がデュオで出て、MCで急に褒め合いだして泣き出すのもずるいと思う。

一応OB枠として参加していたので、ボロボロ泣くのは滑稽なので頑張ってポーカーフェイスを決めていたつもりだが、堪えるので必死であった。

 

ライブ後、会場の外で溜まっている連中と煙草を吸いながら談笑していると、後輩が一人駆け寄ってきた。

「ぼくのギターの8割は家鳴りさんのおかげでした!」

それだけ吐き捨てるように言うと、どこかへ行ってしまった。

今更ゴマすってどうすんだよ、と思いつつも、少し嬉しかった。いや嘘だ。すごく嬉しかったんだ。

ぼくは、ここで嘯いてはいるが、ギターは大したことない。歌も下手だ。後輩に何一つ上手く伝えることができなかった。

それでも、少しでも、ぼくのギターが、ぼくの好きな音楽が、彼らに、ほんの少しでも届いていたのなら、本当に良かったと思う。

むしろ、もう現役でもないぼくに対して、最後まで構ってくれて本当に嬉しかった。この1年は、なんだかんだ本当に楽しかった。本当だ。本当に楽しかったんだよ。

 

ぼくの大好きな曲で「すばらしい日々」という曲がある。その歌詞で

ぼくらは離れ離れ。偶に会っても話題がない。

というものがある。

まさしくその通りで、卒業した後ってのは、大抵楽器なんて触らなくなる。それぞれ仕事で忙しくなって、久々に会っても話題が無くなるもんだ。

 

けど、こういう歌詞が続く。

懐かしい歌も笑い顔もすべてを捨ててぼくは生きてる。

それでも君を思い出せば、そんな時は何もせずに眠る。眠る。

朝も夜も歌いながら時々はぼんやり考える。

ぼくだけかもしれないが、居なくなった先輩や同期や後輩のことを時々思い出したりする。あの頃は楽しかったなぁ、とかぼんやり考えたりする。

きっとサークルに所属していなければ、こんな寂しい気分になることもなかっただろう。だけど、サークルに所属していたおかげでこんな寂しい気分になることができるんだ。

思い出すものがある、というのは非常に良い事ではないか。

きっと身の回りの状況は各々どんどん変化していって、こんなに号泣するくらいに好きだったサークルへの愛着も薄れていって無くなっていくんだと思う。

それでも、確かにその時好きだった事実は一生変わらないだろう。

そして、これだけ後輩が居なくなるのが寂しいのは、きっとぼくは後輩たちのことが好きだったんだ。その事実も一生変わらないだろう。

本当にありがとうございました。

 

…なんて素直に伝えられるわけもないので、ここにこっそり書き記しておくことにする。

やれやれ明日もバイトだぜ!