ぼくを憐れむうた

ぼくを憐れむうた

日々の雑記や音楽のお話

ここは ぐちの はかば


二限目…エロイプ実践編

ある日のぼくはとても暇をしていた。

よし!エロイプしよ!

その思考に至ったのは至極全うであった。

 

エロイプの手順

まずぼくはねとらじエスケープを起動させた。

今だにこんな化石ソフトを使っているのはぼくくらいではなかろうか。

そしてスレでやり方を訪ねる。

…当たり前だがまともなレスポンスは返ってこない。

「早く喘ぎ声を聞かせろ」

「お前の声は聞きたくない」

「お前の声が邪魔でBGMが聞こえない」

等々の罵詈雑言の中、ひとつだけ光るレスが存在した。

「俺はエロイプで何人もの女の子とニャンニャしてきた。」

彼は自分を"博士"と名乗った。大層なHNだ。

 

そしてぐだぐだと時間が流れていき、今夜はエロイプは無理かもしれない…諦めたその時

「こんばんわー^^」

東北で水商売をしている女の子からようやくコンタクトが返ってきた。

即座に返答をし、いよいよエロイプが幕を開けた。

 

エロイプへの道筋

「こんばんわw今ちょっと風邪ひいてて声変だけどごめんねw」

女の子が挨拶をしてくる。

「そうなんだ、風邪なんだ、大丈夫?」

当たり障りのない返答でお茶を濁す

他愛のない雑談を繰り返すうちに、ぼくは重大なことに気づく。

普段人と滅多に会話しないぼくは雑談すらままならない。その先にどう展開していいかさっぱりわからない。

荒れるスレ

「なに普通に話してんだ」

「なげえよ」

「お前の声が邪魔で女の子の声が聞こえない」

等々の罵詈雑言の中、ぼくのメンタルはついに悲鳴をあげた。

「なんかすごく物知りの知り合いがいるんだけど、話したくない?」

「は?」

「どんな疑問も解決してくれる博士って人がいるんだけど、疑問解決したくない?」

「は?」

「うわ…やばい…めちゃ疑問解決したくなってきた…ちょっと呼ぶね」

耐えきれなくなったぼくは自然な誘導にて百戦錬磨の博士を召喚することにした。

「どうも、博士です(イケボ)」

流石博士だ。こんな絶望的状況でも堂々と会話に介入してくれる。

「夏祭りとか行きました?ぼく夏祭り今年行けてないんですよw」

「えー、あたしもいってない!いきたーい!」

「…」

流石博士だ。さっきまで凍えるほど寒かった会話の場が常夏の温度に戻ってきている。ようやく手の感覚が戻ってきた。

 

「そうだ、ゲームしようよ!ぼくと家鳴りくんでそれぞれお姉さんを夏祭りに連れて行くシチュエーションをやるから、どっちとデートしたいか決めてよ!」

「えー、なにそれ面白い!やろやろー!」

「へへ…」

 

唐突に始まったシチュエーションゲーム。流石博士だ。確実に会話が盛り上がっている。余計なゲームまで始めてくれたおかげで手の感覚が無くなっていくのを除けば完璧だ。

 

先攻は博士でゲームが幕をあげた。

「あー、Mちゃんお待たせ!」

「博士遅いよー」

「ごめんごめん、浴衣着てきてくれたんだ?」

「そうなの、似合うー?」

 

流石博士だ。スムーズだ。スムーズすぎる。おい、後攻のこと考えてないのか?この馬鹿は?

こんな調子で盛り上がる夏祭りロールプレイ。スレも盛り上がる。

「博士すごい」

「博士すごい」

「家鳴りの声が邪魔でロールプレイが聞こえない」

ぼくは喋ってない。

 

そんな感じで良い雰囲気を維持したまま打ち上げ花火を見上げる所で博士のターン終了。

「めちゃどきどきしたw博士と夏祭り行きたいかもw」

お姉さんも大喜びだ。

「じゃあ次家鳴りくんね」

 

冷や汗を垂らしながら後攻は家鳴り選手。

 

「Mちゃんお待たせw」

「おそ…」

「ゆ、浴衣着てきてくれたんだ?w」

「まあ…」

 

ハァァァァァァ?!?!?!?!?!

なんでやねん!!!!ぶち殺すぞクソアマ!!!!!

同じ言動を復唱してるだけなのに、明らかに異なるレスポンスを返してくるお姉さん。

 

「じゃあねずみ花火しようぜ!一気に火つけて遊ぼうぜ!」

「ね、ねずみ花火?!」

「めちゃ回ってるwおもしろw」

「はは^^;」

 

再び凍りつく会議。夏祭りのロールプレイとは思えない体感温度。てか夏祭りなのになんで自分らで花火し始めたんだぼくは。しかもねずみ花火て。なにわろてんねん。

今思うと奇怪な行動も、当時は無茶振りに頭をフル回転させた結果なのだ。

 

最終的に、ぼくは線香花火で勝負をしかけて負けたら罰ゲームとしてビンタというような提案をしたところでジャッジが入り退場となった。

 

「全然ドキドキしないしふざけてんの?」

「これはチンパンですね」

 

凄惨な会議にスレも静まり返ったところで会議もおひらきになった。流石の博士もお手上げだと匙を投げた。

 

今後の課題

 

やはりエロイプは奥が深い。女の子といい感じな雰囲気にすることが重要だと博士は語っていた。しかしなにをどうすればいい感じになるのかさっぱりわからない。そう、ぼくは手のつなぎ方だってわかりゃしないのだ。ねずみ花火を笑って見下げることしかできないのだ。

この回のエロイプは屈辱を味わう形になったが、今後の課題を再認識することができたのはプラスであったと考えられる。これからの研究では今回課題としてあげられた"いい感じの雰囲気"というものの作り方や特徴などを追求していきたい所存である。