全身麻酔手術と自家骨移植のはなし
消してぇぇぇぇぇェーッ!!!!!リライトしてぇぇぇぇぇェーッ!!!!
ブログの丁寧な作り方としてリライトというものがある。つまり過去記事を編集し直すということだ。
しかし編集し直したところで誰も過去記事なんぞ読まないので書き直すこととする。
ぼくには未だ消えぬ傷が深々と残っている。かっこいい言い回しを辞めると、ぼくの鎖骨にはボルトが埋め込まれている。更に自家骨移植もしている。
何故なら、ぼくは鎖骨を骨折して4回手術を受けているからだ。
あれは数年前に遡る…と、いつものように暗転してもいいのだが、その前に。
鎖骨の手術や自家骨移植の記事というのは思いの外少ない。この世の全ては需要と供給のバランスが均衡点にて拮抗することで保たれているわけだから、鎖骨の手術の記事が少ないということはその情報の需要が少ないということだろう。
だが、市場がニッチといえど需要が0ということではない。むしろ、鎖骨を骨折して鎖骨の手術を受けるなんてレアなケースを引き当てた側としては情報が欲しくて堪らないのだ。少なくともぼくはそうだった。不安で不安でたまらなかった。
ということで、鎖骨を骨折した場合、更には自家骨移植の指南書をここに改めて記しておく。
鎖骨骨折!
ぼくは原付に乗って車に突っ込んで鎖骨を骨折したわけだが、骨折の理由は千差万別、様々な理由があるだろう。スポーツなんかやってるとポッキーのようにポッキポッキいくらしい!w
だが、スポーツなどの場合であれば恐るることなかれ。手術するほどじゃないパターンが多いはずだ。
具体的には矯正器をつけて鎖骨をズレないように固定して過ごすことで自己治癒させるという治療法になることがほとんどのはずである。
しかし、事故となると話が変わってくる。人と人との衝撃と比べ物にならない負荷で折れた場合は矯正器程度では鎖骨が元の位置に戻らない可能性が出てくる。
そうなった場合は問答無用で手術になるわけだ。ぼくは再々泣きながら駄々を捏ねたが手術からは逃れられなかった。
鎖骨手術!
さて、肝心の手術だが、鎖骨が骨折した場合の手術ってのは二種類ある。
ピンニングとボルト固定の二種類だ。間違っても手術前に画像検索はしない方がいいゾ★
二つの違いに関しては、まぁ、プーマかナイキかの違いだ。つまり好みの問題だ。どのみち骨に金具ぶっさすんだからなんでもいい。というか、こちらに選択権がない場合が多いはずだ。医者がナイキが好きなら強制的にナイキになる。
とはいえ、恐らくピンニングのが楽だろう。だからピンニングだったら喜ぼう。理由としては抜釘にある。
余程の物好きか、余程の理由がない限り、骨がくっつき次第金具を取り出すのが前提になっている事が多いはずだ。その金具を抜く手術が抜釘手術なわけだが、ピンニングの場合は釘を一本突き刺すだけなので抜釘手術も局所麻酔で日帰りで行える。
一方、ボルト固定の場合は泊まりでの全身麻酔の手術になる…はず。だから、その後のことを考えるとピンニングの方が楽なのだ。
(これはぼくのピンニングの釘)
今、ちらっと手術ブログを何件か読んできたが、何故どいつもこいつも肝心な手術の中身を書かないのだろう。本当に不思議。術後の経過のみの記述が殆どだ。翌日の病院食のレビューとかいらねぇんだよ。医者との雑談のレビューもいらねぇんだよ。なんなんだ、政府に口止めされてんのかこいつらは。
ということで、プーマかナイキか決まったら手術になるわけだが、手術のスケジュールとしては最短二泊三日だ。猛者は一泊二日で決行するらしいがオススメはしない。
理由としては、手術が確実に全身麻酔になるからだ。
全身麻酔の手術というのは、手術前日に病院に入り晩飯を食ってその後絶食。翌朝からは手術まで飲み物も禁止。手術が終わり次第経過を見て徐々に解禁、という手筈になる。
じゃあ手術終わったら帰れるぢゃん!と思うかもしれないが、全身麻酔後ってのは死ぬほど意識が混濁してる。更に手術創からは有り得ないくらい血が出る。手術後に異常が出ないとも限らない。これらのことから、身体に異常が無いのを確認してから退院する方が賢いと言えるだろう。
しかし、それを踏まえてできれば一週間程度入院することをオススメする。理由は後述。
全身麻酔の手術自体は死ぬほど呆気ない。だって全身麻酔だからね。身体を切り裂かれてる時には一切意識が無いわけだ。スプラッターが苦手な方にもオススメだ。
問題は術後だ。上にも書いたように、術後は死ぬほど意識が混濁している。更に酸素マスクもつけなければならない。ぼくだけかもしれないが、酸素マスクってのは中々苦しい。ほんとに酸素吸入されてんのかってくらい苦しい。ぼくはこれで過呼吸に陥っている。死ぬほど苦しいのにスマホ見てた親は絶対に許さん。
だからポイントとしては、手術前に酸素マスクを鼻チューブにしてもらえるようにお願いしておくことをオススメする。鼻チューブであればそこまで苦しくなることはないのだ。まぁぼくは鼻チューブでも過呼吸起こしたんすけどねw鼻チューブでも過呼吸起こしてるのにスマホ見てた親は絶対に許さん。
それからはロキソニン愛飲の日々が続く。医者から言われたのは
「手術ってのは体を傷つけているわけだから痛いのは当たり前。だから我慢する必要はない。とにかく鎮痛剤を飲んで、処方された分は痛くなくても飲んだ方がいい」
とのこと。
薬飲むと人間強度が下がるとか言う奴たまにいるけど、文明社会に馴染めよバーバリアン。時代は令和。ここは日本。戦前の発展途上国じゃねえんだぞ。
で、経過が落ち着いたら抜釘手術となるわけだ。
ピンニングの場合であれば日帰りの抜釘が可能だろう。その場合は上にも書いた通り局所麻酔だ。
ぼくの場合はFFの戦闘BGMみたいな音楽が流れる手術室で手術されたわけだが、確か30分くらいだった気がする。切って抜く作業になるのだが、切る痛みは怖いほど感じない。問題は抜く時なのだが、骨から釘を抜く感覚ってのは何とも言い難い。強いて言うならば
「あぐぅぅぅぅぅ!!!!」
って感じだ。痛い、というのもまた違う。一瞬だ。もし抜釘の機会があったら大切にするべきだ。ほんとに一瞬、刹那だからな。
さて、普通の場合はここで終わりなわけだが、骨ってのは時折感染を引き起こす。可能性は低いらしいが、不運体質だったり厄年だったりしたら要注意だ。
厄年だったぼくは見事にこれを引き当てた。
感染すると骨が溶け始める。それはそれは溶け始める。そうすると別の部位の骨にも影響してどんどん溶けてく。最終的には昔の火星人みたいにふにゃふにゃになっちゃう。
火星人志望の方は置いておいて、一般人には望ましい事態ではないのでこれまた手術が必要になるわけだ。
そこで必要になるのが自家骨移植ということだ。
自家骨移植
これまたレビューが少ない案件だ。鎖骨の手術より更に記事が少ない。
医者の説明はあくまで事務的なものであり、個人的な主観や感想ではないわけだ。なのでここには個人的な主観と感想を晒していく。
まず、自家骨移植ってなんぞや、という話だが、話は簡単。自分の骨を自分に移植するというわけだ。
人気なのは腸骨。腰骨だ。
腰骨とって大丈夫なの?って思うが、そんなの部屋にトースターなくて平気なの?ってくらい愚問だ。あれば便利だがなくても生きていける。世の中にはそういうものが多いってことだ。
じゃあ具体的にはどういう手術になるの?って話だが、まぁ、全身麻酔だよね。ただ、ぼくの場合は二回入院することになった。
まず感染を起こした場所を削り取って消毒して人工のセメントを詰める手術。
次に、それが落ち着いたらいよいよ自家骨移植という手筈だ。
上で、最短二泊三日という話を書いたが、やはり一週間程度入院して感染を予防するための抗生物質を投薬するのが最も安全だろう。一週間というのはこれが一つの理由だ。しかしまだ理由はある。後述。
手術の内容としては上に書いたように全身麻酔で、その際のスケジュールや術後の経過は上に書いた通りだが、腸骨を自家骨移植をした場合は1つ大きな特徴がある。
歩けなくなるのだ。
マジで笑えるくらい歩けなくなる。痛いとかではない。足が全く上がらなくなるのだ。
おい、何が腸骨はトースターだよ!!って言われそうだが、ごめん。やっぱりこの世には必要なものばかりだよね。トースターもやっぱり便利だし必要だよ。
どういう仕組みだか知らないが骨一つで歩けなくなるってのは、やっぱり人間というのは面倒くさい生き物だ。
しかし、安心してほしい。それも数日間の辛抱である。
初日はマジで歩けない。車椅子生活。この時ほどフォースが使えれば、と思ったことはない。
しかし二日目、不思議と多少足がいうことを聞いてくれるようになる。
三日目、融通は利かないがかろうじて歩けるようにはなる。
後は日を追うごとに一週間もあれば多少ぎこちないが問題なく歩けるようになるのだ。やっぱり人間というのは面白い生き物だ。
そして、これが一週間の入院をオススメする最後の理由だ。こういう時は「もしも」を考えることが大切だ。歩けない状態や満身創痍で「もしも」が起きても、病院ならサポートしてくれる。早く帰りたいのは山々だが確実に体調が安定してから退院した方が絶対に良い。厄年なら尚更だ。
痛みはその後もしばらく残るが、ロキソニンさえ愛飲していれば唸るような痛みに襲われることはない。後は養生して、出来るだけ歩いてリハビリしていくことが大切である。
むすびにかえて
世の中、何が起こるかわからない。突然の事故に遭う可能性も0ではない。そういった突然のアクシデントに見舞われた場合、とにかく不安で仕方ないと思う。その際には情報が欲しくなるだろうし、ぼくみたいなケースは稀なケースではあると思うが、同じ境遇の方がいたとしたら少しでも参考になれば幸いだ。
今となっては、なんとかぼくも元気に走り回っている。
つまり、仮に鎖骨を骨折しても、全身麻酔を3回受けることになっても、骨が感染しても、自家骨移植する羽目になっても、別に絶命するほどのことじゃないってわけだ。
傷は必ず癒える。跡は残るかもしれないけど、それも些細なことだ。大抵のことはきっとどうにかなる。
この記事がどこかの誰かの不安が多少でも削ぎ落とせられることを願わんばかりである。
了