ぼくを憐れむうた

ぼくを憐れむうた

日々の雑記や音楽のお話

ここは ぐちの はかば


関口

2019年、3月、30日。

 

春は近すぎずも遠すぎず。桜の花も顔を見せたようだ。

そんな時期にぼくはバイトから帰ってきて飲んだくれていた。

飲んだくれていたから、5chに安価で歌詞を作って曲を作るスレを立てた。

 

これはぼくが時々やっている遊びで、即興で歌詞にコードとメロディを与えるというゲームだ。

自慢じゃないが、6レスぐらいならば10分くらいで曲ができる。

 

今日もぐだぐだとスレが流れていった時、とあるレスに安価の矢がたった。

 

 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
ああ~~~~~~~~~~~!
関口陽子のおまんこ舐めたい~~~~~~~~~~~~~~~~~!

 

あぁ、またか。

そう、舞台は5ch。小学生程度の脳みそを持った奴らが歌詞を綴りにくるのだ。

ぼくは軽く流して他の安価の曲と混ぜて曲を作った。

 

…もうスレも静かになってきた頃に、上記のレスが物議を醸し出した。

レスの主はこの曲はこの歌詞に思い入れがあると語る。

しかし他にスレを見ていた人がこんな日記のような歌詞でどうなるんだ、と言う。

つまり、詩をちゃんと書けと反駁したのだ。

 

それに対して上記のレスの主がまた思いを綴った…

以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします
いや、かんべんしてくれ
日記ですらにしたくないのに
日記であろうがなかろうが

>>ああ~~~~~~~~~~~!
>>関口陽子のおまんこ舐めたい~~~~~~~~~~~~~~~~~!

この2行で完成です。これ以上追加する事はないし、1文字だって削れない、1文字だって変更不可、1文字だって追加不可です
完成しています。多くも少なくもなくただの1文字すら変更は不許可です

 

…面白い。

彼は二行で歌詞なんだと言い張ったのだ。

 

そんな曲もあっていいかもしれない。

内容はくだらない。実にくだらない。っていうか関口陽子って誰だよ。

でもそんなことはどうでもいいのだ。思い出は熱いトタン屋根の上、アイスクリームみたいに溶けていくのだ!

じゃあ溶けていくような二行を曲にしてやろうじゃないか。

かかってこい。こっちはメロディメーカーなんだ。嫌がらせで寿限無を全文書かれた時は全部曲に乗せてやったのだ。二行だろうが二文字だろうが曲に昇華させてやるんだよ!!

 

春風が曇天を誘う天気模様の中、ぼくはハイボールを入れ直してギターを握り直した―…

 

 

威勢よく応答のレスを書き込んでから幾千年が経っただろうか…

曲は完成した。

ぼくは関口陽子を知らない。知らないが、彼の思いは、日記にもならない思いは、その時、確かにぼくのギターに乗ったのだった…

 

 

壮絶なアウトロが物語る、ぼくが知らない人のぼくが知らない関口への思い。

少しでも届けば、ぼくは嬉しい。

 

ぐずる陽気の下で、ぼくはそんなことを思っていた―…

 

以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします

ちなみに自分で歌う場合は
https://www.youtube.com/watch?v=wsjFxhFddYs

この曲のイントロの出だしの
「ハーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイヤ~ッ!」が

>>ああ~~~~~~~~~~~!
に近いイメージです

 

なに自分で歌っとんねん

 

fin