君が泣いた夜にロックンロールは死んでしまった!
「人間性で音楽の良し悪しを決めるのは良くないと思う」
これは同期のクソ女の言い分だ。
サークルに所属してた頃、嫌いな奴のバンドは聞かねえと言っていた時の意見だ。
つまり、彼女は人間自体の好き嫌いを排除して音楽を聴けと言う。
そんなことがなぁ!!!!!
ほざけるのはなぁ!!!!!!
音楽が好きじゃねえからだよ!!!!!!!
星丘公園
チャットモンチーが2018年に解散した。
ぼくはチャットモンチーをよく知らない。
だが、彼女たちが築き上げた"チャットモンチー"というカテゴリが偉大だったというのはわかってる。
なぜなら、ガールズバンド=スリーピースという公式を生み出したのは間違いなく彼女たちであり、その後のガールズバンドを見れば彼女たちの影響をガチガチに受けているのは明白だ。
話が右往左往するが、Hump backというガールズバンドがある。
彼女たちが2017年に出した曲がある。
「星丘公園」だ。
君が泣いた夜にロックンロールは死んでしまった
そんな一節から始まるこの曲。正直、わりとJ-POPとしてはありがちな曲だろう。
だが、2018年にチャットモンチーが解散するという事実を踏まえると話が変わってくる。
Hump backは相当チャットモンチーが好きだったらしい。特にボーカルはチャットモンチーが好きだったらしい。
これを踏まえると、どうしてもチャットモンチーへの曲に聞こえて仕方がない。
制服の裾を掴むような淡い初恋はようやく居場所を見つけたみたいだ。
こう彼女が歌うわけだ。
彼女にとって音楽に恋したのはチャットモンチーだったんじゃないだろうか。
そんなチャットモンチーが解散して、嫌々ながらもHump backは居場所を見つけてしまったんじゃないだろうか。或いはチャットモンチーも解散という形での居場所を見つけてしまったんじゃないだろうか。
言わずもがな、死んだロックンロールはチャットモンチーのことだろう。
ロックンロールは死んだと今も昔も何度も語られている。
それなのにこんな仰々しい言葉を使ってまでこのことを歌っているのは、彼女にとっていかにチャットモンチーが偉大なバンドだったかを物語っている。
そう考えると全ての歌詞が突き刺さる。
全然チャットモンチーに愛着がないぼくですらここまで同調していしまうほどに、彼女たちはこの曲を演奏している。
これはやっぱりバックボーンがあるからこそだと思う。
バックボーンがあるから音楽が素晴らしいということを言いたいんじゃない。
バックボーンがあるからこそ音楽は成り立つんだと思う。
どんな曲だって、その曲を作りたくなった理由があるはずだ。
それを無視してその曲を聞くという方が無理があるんじゃないか?
つまり、人間性を無視して、その人を無視してまで音楽を聞くというのはおこがましさすらある。
ぼくは好きな曲にバックボーンがあるならそれを知りたい。知った上でその曲を知りたい。
サークルの話に戻せば少し稚拙にはなってしまうが、
なぜその曲を歌うのか、その理由はやっぱり知りたかった。
理由は様々だ。単純にその曲が好きというのもあるだろう。でもどれだけ好きか、どれだけそのアーティストのコピーに、もしくはそのアーティストの曲を歌うのに、賭けてるかっていうのはやっぱり知りたかった。
音楽はやっぱり魔法だ。呪いかもしれない、と以前の記事でも書いた気がする。
でもきっとそうなんだと思う。
やっぱり思うことがあって、吐き出したくて、でも正直にそれを言うのはなんだか照れくさくて、そうやって曲ができるんだと思う。
たらふく酒を飲んだら、ふとこの話を思い出して書き殴ってしまった。
なんかとりとめもない話になってしまったかもしれないが、まぁいいだろう。
本当だったらきっと、結婚が間近に迫ってるとか、仕事が佳境だとか、そんなことを話さなきゃいけない世代になっているんだろうけど、やっぱりぼくは大人になりきれずに未だに音楽を引きずっている。
そうだね、音楽は魔法だし呪いだよ。