だいすきなげーむ「チビファンタジー」
今の中高生はブラウザゲームと聞いて何を思い浮かべるんだろう?艦これかな?それともゲームはスマホで済ませちゃう?
おじさんがねえ!!!!子供の頃はねえ!!!!!!スマホなんてなかったよ!!!!!!
だが、恵まれた世代だったのか、もしくは呪われた世代だったのか、パソコンはあった。
そう、あれはぼくがまだティーンにもなっていない頃のお話……
ブラウザゲーム「チビファンタジー」
ぼくは内向的な人間で、それは子供の頃から変わりゃしない。
友達はいたけど多くはなかったし、1人で遊ぶ事は少なくなかった。レゴとか好きだった。城めっちゃあった。
そんなぼくの家にある日パソコンが来た。正直今になって思うけど、ぼくとパソコンを出会わせるべきでは無かったんだ。いつまでもネットに対して情弱であるべきだったと思う…まあ、それは置いといて。
子供であるぼくはパソコンの本来の使い道など知らないし興味もない。興味があったのはゲームだ。
最初はババ抜きやピンボールをやっていた気がする。ソリティアとかバックギャモンとかはやり方が分からなかったので一切開かなかった。
そんなある日見つけてしまったのだ。オンラインゲーム「チビファンタジー」ってやつを…さ…
あの当時、似たようなゲームがいくつかあった気がするがチビファンタジーもそれだ。名付けるならコミュニケーション型クリック系ブラウザゲームRPG…!!!なげえな…でもこんな感じだ。
簡単に説明すると、クリックして探索して敵を倒してレベルを上げる。それだけ。アクション性は0。ただクリックするだけ。クリックすると敵が出てきて、クリックすると自動で戦闘ログが流れて、クリックするとそれが終わる。ほらね、めっちゃクリックするでしょ。
ただ、大きな特徴は他にある。それはチャットと掲示板だ。
チャットは、メインチャット,初心者チャットなど5種類に加えてレベル制限チャットや、自分が許可した人だけ入れるホームチャットなど多彩。
掲示板も総合掲示板を始めとして売買メインの掲示板や、コミュニケーションを図るための出会い掲示板(いやらしいものじゃない)、便所の落書きみたいな俺が神掲示板というものまで設置されていた。
ゲームにちょっとした2chがくっついてるようなものだ。逆かもしれない。ちょっとした2chにゲームがくっついてるようなものかもしれない。それくらいコミュニケーションの場が用意されていた。
恐らくここまでコミュニケーションを推奨するゲームも珍しいと思う。ちなみに、協力プレイなどはほぼ無い(一応あるが全然メインコンテンツじゃない)という不思議な作りだ。まるでからくり屋敷だ。
今からしてみれば、本当に大したことないゲームシステムだしちゃっちいものだが、当時は結構な人気だったと思う。同時ログイン最大で1000人とかあったんじゃないかなぁ…
そんな多機能なブラウザゲームにぼくはどっぷり浸かった。
チビファンタジーのおもひで
思い出なんて言えばかなりある。かなりあるが小学生の頃なので色々曖昧だが…
とにかく、家にいながら誰かとコミュニケーションをとれるというのが画期的だった。最初はチャットで「こん^^」ってやるのすらぎこちなかったが、小学生5.6年にもなればゲームの中に友達を何人も作っていた。
しかし、当時のぼくは頑なに年齢を隠す癖があった。今となってはよく分からないが、でも周りの年齢層が中学生〜社会人までとかなり幅広かった為に年齢で遅れはとるまいとしていたのかも知れない。ちなみにぼくの友達は中学生くらいだったと思う…多分。水上置換法で盛り上がってたしそんなもんだろ。
ところで、当時小学生だったわけだが、ぼくはリアルの知人にもチビファンタジーを推し進めていた。結果、何人かそれぞれキャラを作ってやり始めていた。
そして恐ろしい話、それぞれ課金もしていた。特にMくんは結構課金していたと思う。ぼくも課金していたがその後やったゲームも含め一番課金したゲームがこれだ。
課金するとゲーム内通過も必然的に増える。キャラ育成やレアアイテムの取引も最初は2000Gでも大金だったものが、段々100,000G…200,000Gと派手になってきた。するといざこざも発生し始める…
ある日、M君が掲示板上でぼくを名指ししたスレを立てた。「家鳴りさんに詐欺を受けました」的なスレだったと思う。内容は覚えてない。いざこざの内容も覚えてない。
しかし画面を挟んでM君とかなり大きな喧嘩をしたのは覚えてる。しかも画面の向こう側の知らない人も巻き込んで。
それはリアルまで波及させて、ぼくはしばらくM君と一切口をきかなかった。今考えると怖い話だ。今の子には本当にそういったことをして欲しくないと切に願う…最終的に無事収束はした筈だからいい思い出ではあるけど…あとK君巻き込んで仲裁させてごめん。
M君関連で他にもある。
先ほど言ったようにぼくはゲーム内で年齢をずっと隠していた。しかし、ある日M君がカミングアウトしてしまったのだ。しかもあろうことか小学校名まで。
ほんとに恐ろしい話だ。もしこの時代だったら無事でいられたか分からないくらい危ない。
そうした結果、ぼくは落ち込みすぎてしばらくゲームから離れてしまった。それくらい年齢を公表されたのがショックだったのだ。けど本当に怯えるべきはそこより小学校公表のほうだぞ!
だけど楽しいことの方が多かった。
深夜に親が寝静まってから大人に混ざってチャットをしたのもいい思い出だ。
身体が弱くて検査しょっちゅう受けてた月愛さん元気かな?月愛さんと話してるといっつと割り込んでくるナイトNIGHTも元気か?俺はお前のことちょっと邪魔だと思ってたぞ!あと、俺が慕ってたワド氏も元気かなあ…お前全然時間通りにチャット来なかったよな…
掲示板では主に中学生グループと仲良くしていた。いつもしょーもないことで盛り上がってた。「(ぁ」と「(おぃ」とか使いまくってた。
一番仲良かったダイキは今どこに住んでんだろうな、お前本名でネトゲやんなよ。キルナークくんは+love+ちゃんと水上置換法とか化学式で盛り上がってたよね。ぼく小学生だったから意味わかんなかったわ!イルィ君はデート行ったこと茶化してごめんね。多分年長者の☆スター☆は汚星様とか言ってごめん。+love+ちゃんも虐めてごめん。山姥とか言ってからかってごめん。でも俺君のこと好きだったかもしれん。
今でも仲良くしてた人達の名前が簡単に思い出せる。でも1人もどこ住みだとか何歳だとか顔すら知らないってんだから面白い。
全盛期から時代は流れて、段々ブラウザゲームでポチポチしてるのが飽きてきて、しかも仲の良かった友人達が生活の都合とかでどんどん引退していって、いつしかぼくもログインすることがなくなっていった。
きっとあの時代まともな小学生は外で元気に遊んでたと思う。けれどぼくの小学校時代の青春はチビファンに詰まってる。暗い小学生時代だと馬鹿にされるかもしれないけど、ぼくには画面越しの青春がなんとも心地よかったのでした。
最後にそれっぽい曲貼っとこ。