ぼくはくるりの「東京」が好きなんだ!!!
好きな曲を3つ挙げろ
って言われたらなにを挙げますか。
ぼくはきっと、
「友達がいるのさ/エレファントカシマシ」
「すばらしい日々/ユニコーン」
「東京/くるり」
だ。
ということで、今日はくるりの東京の話。
この曲はくるりのインディーズのアルバム「アンテナ」に入っている曲だ。AmazonのURLでも貼ればアフィサイトになるのかもしれないが、今はそれどころじゃないので話を続けよう。
曲ができた経緯を説明すると、当時、デビューの為に東京に出てきたくるりであったが、気候の影響かメンバーは風邪をひいてしまっていた。
ボーカルである岸田は風邪をひいていなかったが、メンバーが体調不良のためか、又は金がなかったせいか公園にいて、暇なので当時付き合っていた彼女に電話をかけようとした。
だが急に、その彼女と付き合う前の彼女に電話をかけたくなった。しかし残金は少なく2人とは話せない。少し悩んだ結果、どちらとも電話せずに自販機で珈琲を買って飲むことにした。そんな中生まれて曲らしい。
まずこのエピソードが最高だ。彼女と電話しようか、それとも元カノと電話しようか、悩んで缶コーヒーを買って一人過ごした。当時の岸田が何を考えてそう行動したかは分からない。けど、何かやるせなかったんだろう。東京に出てきたばかりで不慣れな生活の中、焦りや不安の入り交じった感情でいたんだろう。
東京には幾つかバージョンがある。大きく分けて、インディーズのアルバム「もしもし」バージョン。次にファーストである「さよならストレンジャー」バージョン(これはベストにも入っているバージョン)。そして、ライブ「百鬼夜行」バージョンだ。
ぼくはくるりのコピバンを昔していて、何度か東京はプレイしたことがある。だからこの曲は何度も聞き込んでいた。
まず、1つ言えるのが、くるりがライブする際に「さよならストレンジャー」(これはベストにも入っている)バージョンで演奏することはない
どういうことかと言うと、細かい話になるが、間奏が違うのだ。
上記のバージョンでは、所謂1番のAメロとサビの間に間奏はない。しかし、ライブの映像を見ると必ず1番のAメロとサビの間に間奏が入っている。ぼくはこのライブバージョンが好きだ。間奏のコード進行はAから半音ずつ上がってDでブレイクするものだが、この理論を無視した荒々しいコード進行は最高だ。
「もしもし」バージョンも他に収録されている東京と大いに異なる。
まず、メジャーデビュー後の東京より半音下げだ。更に間奏はライブバージョンだ。そしてなにより、焦燥が感じられる荒々しいサウンド。
「もしもし」はインディーズのアルバムであり、最初のアルバムだ。だからこそ、東京に出てきたばかりの岸田が演奏する「東京」は一味違う。だから荒々しい不安や焦燥の音が感じられるのだ。
更にボトルネックを使ったスライド奏法。これは「百鬼夜行」バージョンにも言えることだが、東京には見事にスライドギターが合う。勿論スライドギターじゃないバージョンもかっこいいのだが、何故かそこにスライドギターを入れると恐ろしいほどマッチする。
そして歌詞。
バージョンは色々あれど歌詞は変わらない(厳密に言えば「もしもし」バージョンだけ若干異なる)。
東京の街に出てきた所から始まり、「君」と上手く話せないことや、素敵だと思っていたこと。そんなことを歌詞にしている。そして大サビでは
"君がいるかな。君と上手く話せるかな。まあいいか、でもすごく辛くなるんだろうな。"
と歌っている。
なんだこの歌詞は。諦めと後悔が混在していて、ぐちゃぐちゃな頭の中でどうにか結論づけたような、そんな歌詞だ。
人はこれを別れのラブソングだと言う。けれどぼくは必ずしもそうだとは限らないと思う。親しい友人との別れにもこの歌は歌えるんだ。これは大切な誰かとの「別れの歌」なんだ。
まだ語りたい事もあるが、これではキリがないのでここら辺で〆たいと思う。
地元から出てきて、あるいはずっと住んでた土地を離れた何か心もとない夜、ぜひこの曲を聞いて欲しい。