ぼくを憐れむうた

ここは ぐちの はかば

ここは ぐちの はかば


チェスレコード、改めキャデラックレコード

日曜日だけでいいからキリスト教に入りたい…安息日を俺にくれ…宗教上の理由を言い訳にバイト休みたい…

 

こんにちは、皆さん。お盆はいかがお過ごしでしょうか。ぼくは毎日バイトです。ふふっ。

ごめんね、母さん。お盆は帰ってきてくれてるだろうに今年も会えそうにな…あぁ、うちの親まだ生きてたわ。

 

ところで先日書こうと思ってた映画の感想の記事を書きます。

 

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キャデラックレコード~音楽でアメリカを(略~

~タイトル長いので省略。あとこのポスター写真かっこいいよね。~

最近ちょこちょこ行ってるブルース道場のおじさんが教えてくれたこの映画。話を聞いてから少し時間が空いてしまったが見てみた。

 

主人公はブルースの名アーティストMuddy Watersとチェスレコードの社長さんLeonard Chessの2人。

大まかなあらすじは、

田舎で農民してたMuddyはある日ギターの録音をさせてくれと依頼を受けたことをきっかけに、ギター1本持って都会へ出ることを決意。なんやかんやあって当時ブルースパブを経営してたLeonardと出会って、レコードを出して一発当てるために共にレコード会社を立ち上げてレコードを売ることにした。

その結果Muddyのブルースは都会の人々に広く受け入れられていく。

更にMuddyたちは有能な人材を次々に発掘していくが…

といったところか。

 

この映画、サブタイトルは~音楽でアメリカを変えた人々~とついているが、「アメリカを変えた」というより彼らは金と女と名声を追い求めていた結果、アメリカの風潮も徐々に変わっていったというだけな気がする。もちろんそれでも凄いが…

当時黒人差別が全面的に行われていたところに白人であるLeonardがMuddyを発掘したのも、Leonardに差別反対という志があったわけではなく、ただMuddyのブルースがかっこよくてそれを当てれば金になる、と踏んだに過ぎないだろう。その行動は見方によれば残酷だし見方によれば差別をしない善人だが、とにかく金にがめつく仕事にストイックだったと見るのが一番妥当かなあ。

 

この映画の一番の見どころは恐らくこういった金へのがめつさだろう。

彼らはとにかく金がなく、とにかく夢がでかかった。売れたいし、そのためには買収だってする。なんでもいいから俺らの曲を聞け、とそういった貪欲さが彼らを成功へと導いたのだろう。

 

そしてもう一つの見どころはレコード会社の栄枯盛衰の様だ。

レコード会社のリーダー的役割のMuddyのブルースは時代が経てば徐々に売れなくなってくる。なぜならロックンロールが流行り始めたのだ。そのロックンロールの立役者の名前は"Chuck Berry"

彼のブルースの早回しのような曲とダックウォークでステージを行き来する様はロックンロールを生み出してしまった。その結果こてこてなブルースは衰退し始めた。

しかもそこから徐々に上手く行かなくなってくる。とにかく金が足りなく始めて、そんな最中にChuck Berryは大ヒット直後に淫行の罪で逮捕され、Little Walterというブルースの名手は薬に溺れて死んで、MuddyとLeonardの関係が徐々に悪くなっていく。

結果的にLeonardは会社を畳むことを決意し結局チェスレコードは倒産してしまう。

 

激動すぎるだろ。ブルースが成功へと導いてくれたのに、すぐに同じ音楽であるロックに殺されてしまった。生きて何かを成し遂げるにはサクセスストーリーでは語りきれないんだろう。

 

この映画の感想を書くときっと多くの人は劇中で出てくるR&B歌手であるEtta JamesとLeonardのなんとも微妙な距離感で進む恋愛のような模様について取り上げるだろう。

もちろんそこも見所ではあると思う。終盤にLeonardを思いながら「I'd rather go blind」を熱唱するシーンは名シーンだ。ぼくはそれよりも男達の貪欲さや転落事情の方が見るべき様子だと思う。Walterが死にかけでMaddyの家にやって来たシーンでの「last night」も中々なんだ。

 

Muddyは悲しみを歌詞に込めて歌い、Walterはそれを薬に混ぜて飲み込んでしまった。

Leonardは劇中でこう前置きしてEttaにWalterのようにならずに歌を歌ってくれと叱咤していた。

けれどBluesはそんな悲しさや辛い理不尽なものが作っているんじゃないか。だからWalterもBluesに根っこから浸かってしまった結果がそうさせたのかもしれない。

「ブルースってのは不条理だ」

Muddyは言った。じゃあきっとそういう事なんだろう。

 

あと、Howlin Wolfの強キャラ感が好きだった。

"彼はいつも吠えていた。その様はまるで月に向かって吠える狼のようだった。"

なんだよその解説…カッコよすぎるだろ…

Wolfは映画ではそんなに重要キャラでは無かったんだけど、仕事の前金を断り車を断りMuddyに噛み付くその様はちょいちょい出てくる度に強烈すぎた。絶対知り合いになりたくないと思った。

 

という事でレビューもどき終わります。現場からは以上です。

次回

「never young beachよ、お前らは夏すぎる」

でお会いしましょうさよなら。