ぼくを憐れむうた

ここは ぐちの はかば

ここは ぐちの はかば


ブルースバーに行ってきた

ぼくは割とブルースってのは好きだ。

なぜかと聞かれても困るが、触れたのは19歳になった初めての君の嘘の季節…そう4月だった気がする。

 

「おい!スリーコードってのがあるらしいぞ!」

 

彼のことは大して好きじゃなかったが、彼は嬉しそうにぼくに受け売りの知識で解説し始めた。彼も彼で嫌いな先輩に無理矢理吹き込まれたらしい。

ぼくの中では画期的だった。

クソ簡単なコードを弾いてるだけなのに妙にカッコよく聞こえるし、そのコードの上でてきとうに弾いてると曲になるのだから。

これは所謂ジャムセッションというやつだということには数年後に気づくことになる。

そんな青い春からはや数年が経った2017年夏。色々あって、ぼくは兼ねてより聞いていたブルースバーに足を運んだ。

 

「やってますか?ここ、ブルースセッションやってるって聞いたんですけど^^」

 

こんな感じで入りたかった。

だって、ぼくはなんだかんだギターを頑張って続けてきたし、それは既存曲をというよりはセッションでカッコいいことがしたい欲求の方をモチベーションにしていた。

もちろんまだまだなレベルだが、backnumberのカバーしてます笑みたいなのよりは弾けるはずだ。

だが実際はこんな感じだ。

 

ア、アノーココ…ブルースノオ、オミセデスカ??ヤ、ヤッテマスカ??エトジツハセンパ…センパイニキイテキテミタンデスケドエヒッ…

 

こんなものだ。ギターの技術とか関係ないのだ。これがぼくだ。これでもかというくらいキョドるのがぼくだ。

ぼくは自分のことをコミュ障だとは思っていない。だから全力を出せばなんとかなると思ってた。浅はかだった。

向こうも顔文字で言う^^;の表情を一瞬浮かべた。舌を噛みきって死のうかと思った。

 

しかし向こうの方はすぐに表情を作り直した。きっとぼくの言葉では客だということすらすぐに伝えきることができなくて、理解するまでにラグを生んでしまったのだろう

「どうぞどうぞ、見てってください」

そんな感じで店内に案内される。程なくして始まるジャムセッション。何曲か続き、休憩が挟まる。あー、この人たちはブルースが好きなんだな、って伝わってきた。ぼくはギター弾きなのでギターの人の指弾きはとくに凄いと思ってみていた。

すると、

「君も弾いてみなよ」

き、きた。

こうなるかも、と思ってフレーズをパクっていたので手持ちの武器は携えてきているわけだ。なにも心配する必要はない。いつも通りに弾くだけさ。そう思い壇上に上がる。

「KeyはCで」

で、でた。

Keyだけを教えてくれるやつ。コード進行は恐らくスリーコード。飽きるほど弾いたスリーコード。しかし、ブレイクのタイミングやソロの尺も分からない。原曲があるのかどうかも知らない。なにこれ…そんな感じで曲が始まった。

 

その後何曲か参加させてもらったが、結果から言うと、所謂「うんち」だった。

ぼくはあまり自覚していなかったがうんちらしい。どうなってるんだ。そんな自信満々にギター弾けます、って言えるほど自信があ 有るわけじゃないが無いわけでもない。なのにうんちって。下手とかじゃなくてうんちって。

原因はいくつかある。まず、パクっていった誰かのフレーズは1度も使わなかった。というより使えなかった。壇上でソロが回ってくれば頭真っ白で2、3年前の手癖しか出てこない。B.B. Kingアベフトシを足して割って割った感じだ。これはビールを水で割るようなものだ。つまりどうしようもなく不味いってことだ。

次に見事に原曲を知らなかった。有名どころすら危ういぼくだが、原曲者の名前くらいわかるかなと思っていたが一曲もわからない。曲も分からなければ元ネタのアーティストもわからなかったのだ。

そして何より、大してぼくはギターが上手くない。一人ぼっちというのは寂しいもので、部屋でひとりでギターを弾くしかない。すると、どうだろう。世界で1番上手いような気がしてくる。そりゃそうさ、ぼくの部屋という世界にはぼくしかいはいんだから。しかし、人と会う度にその根拠の無い自信は簡単に打ち破られる。

この、「自信を持つ」→「打ち破られる」のサイクルは大学にいた頃はよくあったが、最近は人と楽器を触る機会が無くなってしまったので久しく味わっていなかったのだ。だからbacknumberのコピバンより俺の方が上質とか言ってしまったのだ。ごめんね。backnumberのファン共。だけどあれをロックっていうのは辞めてね。

 

という事で、久々に「あっ…」ってなった夜でした。

けれど、非常にいい経験になったし、なによりうんちだったけど楽しかった。人と楽器を触るのはうんちでもうんちじゃなくてもやっぱり楽しい。それに知らない物に出くわして衝撃を受ける感覚は悪いものではない。

だからまた行きたいと思う。ああいうチョーキングぼくもしてみたい。それだけインパクトがでかかった。ようやくぼんやりと目標を再発見した夜でした。

あと次は「やってますか?(爽やかストリーム微笑)」で扉をノックしたい。