ぼくを憐れむうた

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日々の雑記や音楽のお話

ここは ぐちの はかば


地下室TIMES書式はさいつよ

地下室TIMES。それは音楽情報サイト。

BASEMENT-TIMES

一つの記事に一つのテーマ(バンド、音楽あるある、etc…)を持って、あまり冗長に語らずシンプルにまとめているのが特徴的に思える。

中心は"石左"という方のようで、他にライターが数人おりそれぞれが記事を更新していくスタイル。

 

これが地下室TIMESの基本的な情報なわけだが、最も特徴的なのはタイトルと文章だ。

ぼくが初めて読んだ記事はこれ。

ライブどころじゃねえ ライブハウスで見るダサい行動5選 - BASEMENT-TIMES

なんと挑戦的なタイトルか。しかしブログが蔓延る世の中、特徴的なタイトルをつけなければ数ある同じようなブログに潰されてしまう。故にこのタイトルは生き残るための術であり、地下室タイムスだけがやっていることではない。

この記事の中身は、ライブハウスに来る客についてムカつくことを羅列させた内容になっていてタイトルと差異はない。ぼくはライブハウスあんまり行ったことないけど、そんなぼくでも楽しめる内容になっている。

が、

あいみょんを聴くと、椎名林檎ってすげーんだな。って - BASEMENT-TIMES

これの場合はタイトルと中身に若干の差異がある。

タイトルだけ見ると、まるで「あいみょん」はそこら辺の女性シンガーで、「椎名林檎」はやはり別格であり、そこら辺のシンガー大差なく大したことない。というような内容なのかと思わされる。

しかし、内容ではそこまで「あいみょん」のことをディスっていない。むしろかっこいいと褒めている。他の幾つかの記事でもそうだ。

「毒舌なタイトル」と「なんだかんだ対象を肯定する内容」

これがセットになった記事が非常に多い。主に毒を吐くシーンもあれど、最後に必ずと言っていいほどフォローが入る。

(おいしくるメロンパンが嫌いな人とお友達になりたいな - BASEMENT-TIMESこれだけは別。気持ちいいほど罵ってくれていて助かる。)

 

そして、その罵り方も凝っていて面白い。主に若い層(高校生〜大学生)くらいをターゲットにしていそうなので、その層が面白いなあ、と思えるような言い回しが上手いのだ。

だが、ターゲット層が高〜大学生と書いたが、その年代全てに向けて書いているわけではないだろう。

 

ここも面白い所なのだが、ライター達は度々自虐ネタを入れてくる。例えば、「日陰者の俺達には眩しい音楽」といったニュアンスの言葉や「教室の隅で過ごしてたぼくらのための音楽」というような言い回しが数ある記事の中に散見される。

ここで注目すべきは「俺達」という言葉であり、この「俺達」っていうのは

「書いてるぼくも日陰者で、読んでる貴方も日陰者。安心してくれ、ぼくらは敵じゃない」

という「俺達」だ。

つまり、思春期特有の「流行りのドラマとかアホくさw生き物図鑑のがおもしれーしw」的思想だったり、大学生特有の「サブカル系まじうぜえ^^;俺は君らと違うから^^;」的な思想をしてる奴らに向けて書かれているのだ。

そういう輩は真っ直ぐなものが嫌いだ。すこしひねくれているものじゃないと受け入れることができない。だからライター達は「自分は凄く歪んだ青春を送ってきたダメな奴なんだよ」とアピールし、時にはサブカルを叩き、時にはおっさんを叩き、時折自虐する。そうすることで読者に仲間意識を植え付けて、記事を読んでもらうように努力しているのだろう。

 

ここまで読むとまるでぼくが地下室タイムスを嫌いかのように読み取れるかもしれないが、上の文章は皮肉って書いたわけじゃなくて僕なりの解釈だ。そしてそれを悪い、とは思ってないしむしろ凄いと思う。

ただの音楽レビューをするサイトなんて、このご時世ごまんとある。その中での差別化は非常に困難だ。だが、彼らは彼らの記事の書き方や、なにより膨大な知識で面白い記事を作り上げるスキルがある。彼らは音楽の知識やその他の知識に関しても博識である。

今、地下室タイムスを検索してみたらいくつか地下室タイムスに対して別のサイトの方が否定的な意見を述べた記事がいくつか出てきた。が、もし地下室タイムスを読んで不快に感じるのなら貴方はもうターゲット世代じゃなくなってるという事だろう。ポケモンがつまらないと嘆く人は、もうゲームフリークス側のターゲット層から外れているのと同じだ。あれは廃人育成ゲームじゃなくて、ちっちゃいお友達がメインターゲットなんだぞ。

もちろん社会人でも学生と同じものが好きだったとしても良いけれど、仮に途中で飽きたり合わない部分が出てきてもそれは仕方ないよね、っていう話。

 

まあまあ、とにかく読んでみるのが一番手っ取り早い!記事が長いわけでもないので読みやすいし、文章もおもしろいので読んでみるべきだ!!

 

じゃあぼくはナタリーの記事を読んで寝るから。おやすみ。